移転価格税制対応サービス
クロスボーダー取引価格設定のコンサルティング
海外のマーケティング或いはソフトウェア作成の拠点として、海外子会社を新たに設立する場合には、海外子会社の行う業務に係る対価を海外子会社の資金繰り及び海外税務当局に対する税務リスク対応を念頭において検討する必要があります。取引規模が比較的小さい段階では、重大な移転価格課税の税務リスクが生じることはありませんが、この段階から料税務当局に受け入れ可能な価格設定を行うことにより、会計の減損リスク対応にも間接的に対応可能となるため検討するメリットが大きいと考えられます。ESネクスト税理士法人は、迅速かつ丁寧にクロスボーダー取引価格設定をサポートします。
ローカルファイル
国外関連取引が独立企業間価格で行われていることを確認する書類(ローカルファイル)を一の国外関連者と国外関連取引の合計額が50億円以上又は無形資産に係る国外関連取引が3億円以上の規模の取引がある場合には法人税の申告期限までの作成、またそれ以外の小規模の取引でも調査により提出を求められた場合には、原則として60日以内にその提出が義務図けられています。ローカルファイルの作成は、法的記載事項を充足する必要があり記載内容は多岐にわたるため留意が必要です。一方ローカルファイルは海外の多くの国もその作成を義務化しており、多くの場合、日本と同様に経済協力開発機構 (Organization of Economic Development ”OECD”)が作成した移転価格ガイドラインに沿ってその記載内容を規定しています。 海外子会社においては、多くの場合現地のコンプライアンス対応のために、自ら現地のアドバイザーとその対応を行うことが多いので、本邦目的のローカルファイルにおいてもその記載内容を確認し、本邦目的のローカルファイルに使用可能ものかを確認し、内容によっては加筆訂正して本邦目的のローカルファイルとすることも実務的対応としてコスト抑制効果も期待される対応になります。(ただし、海外子会社の利益率が高い場合に、海外ローカルファイル目的では、独立企業間価格の妥当性を現地の税法が求める水準以上の利益を計上していることをもってローカルファイルの結論としている場合には、本邦目的では高い税務リスクが生じますので、対策を講じる必要があります。) ESネクスト税理士法人は、海外子会社のローカルファイルをレビューし課題の整理とフィードバックをしたうえで、本邦目的のローカルファイルの作成をサポートします。内製化を志向する会社には、ローカルファイルのひな型に必要記載内容を記述する作成マニュアルを提供し、会社のご担当者が主導して作成できるようサポートいたします。また、海外子会社でローカルファイルを作成していない場合には、比較対象取引(又は企業)の選定絞り込みも含めて本邦目的のローカルファイルを作成します。
移転価格ポリシー
ローカルファイルの作成は実際の活動の内容とその結果生じた財務データの実績値が独立企業間価格に基づき行われていたかを検証する書類のため、その作成を通じて今後の課題を認識する機会にはなるものの、移転価格上の問題が生じていた場合にそれを未然に防止することはできません。移転価格ポリシーはこれを社内の関連部署にイントラネット等で通知することにより、移転価格税制に対応した価格設定の必要性を周知し移転価格上の問題を防止するために有用です。また、日本では移転価格税制の対象となる国外関連取引について、その対価性がないと税務調査で認定されると寄附金課税の適用があります。移転価格税制に基づく課税の場合は、租税条約締約との取引では、その課税により生じた(経済的)二重課税を回避するために相手国の税務当局と課税した日本の税務当局がその解決に向けて話し合う相互協議が課税された法人の申請により行われます。一方、寄附金課税の場合は、相互協議が行われることはなく、二重課税が確定してしまうため、税負担が高くなり、加算税等の罰金を含めるとその負担グループ全体で当該取引から生じる利益の6割(中国、米国など)あるいは7割(インド)を超えてしまいます。このため国外関連寄附金の回避は必須になりますが、移転価格ポリシーに基づきグループ間取引の価格設定とモニター及び必要に応じた価格調整を行うことと社内の稟議或いは検討文書の記載方法に留意することで国外関連取引のリスクはほぼ回避することができます。 ESネクスト税理士法人は、移転価格ポリシーの作成をサポートするほか、関連部署への移転価格税制の概要と対応の必要性等のレクチャーも対応いたします。内製化を志向する会社にはローカルファイルと同様に記載要領を記した移転価格ポリシーの雛型を提供し内製化をサポートします。
海外出向者税務対策サポート
本社の事業戦略と一貫した海外事業の運営及び管理のために、本社から海外子会社へ出向者がその任を現地で行うことが多く行われています。出向制度は、出向元と雇用契約がある従業員が、出向元の会社の子会社等に出向を命じられ、出向先の会社の雇用契約に基づき出向先企業の指揮命令下で勤務するため応益性の観点から、原則として出向する従業員(出向者)の給与は出向先が全額負担する必要が日本の法人税法上求められます。一方、出向者には出向元の海外勤務規程を適用して各種手当が支給され、あるいは給与の一部を継続して日本払いにするケースがあり、日本の出向元の会社が原則的取り扱いと異なる負担を行うことで、税務調査で海外子会社への国外関連者寄附金として課税の指摘を受けるケースも頻発しています。出向契約の場合は、出向元企業の雇用契約に基づき支払われる給与の水準は従業員との契約に基づく債務と考えられるため、その水準につき出向先の企業の雇用契約に基づき支払われる給与水準が異なる場合には、出向元企業がその格差について負担する必要があります。このような状況を明確にして出向元企業が負担する出向者給与負担金は認められますが、単に日本払いという理由では出向元の法人税申告上の損金算入は認められません。一方、海外子会社の国の制度は出向契約というものが制度として一般的に利用されていないこともあり、特に日本払いの給与で親会社である日本の出向元が給与負担している場合には、現地での税務調査では税務調査官が、出向者の活動が日本の本社の活動を現地で行っていると推定し、親会社の法人としての申告義務を指摘するケースも生じています。このように海外出向者の給与負担の取り扱いについては、日本のみならず出向先の海外の税務当局においても課税問題が生じないように対応する必要があります。ESネクスト税理士法人は、海外子会社等との出向契約書、出向者税務チェックリストの作成等の課税問題の予防策の提案構築のサポートをいたします。
外国税額控除
海外事業割合の増加に伴い、企業の法人税負担に占める外国税額の割合が増加するにつれて、企業の税負担の適正化のために、外国税額の本邦税務上の取り扱いの検討が必要になります。外国で課税された所得が、本邦で課税された場合には二重課税が発生することから、それを排除するために外国税額控除制度が設けられています。一方、25%以上出資の海外子会社からの配当が益金不算入となり、その配当について外国で課された源泉税が外国税額控除の対象ではなくなったこと、又、米国の他欧州の主要国では使用料の源泉税も免税となる租税条約の改正が行われており、外国税額控除を適用し二重課税を回避するケースが、主として新興国に対する無形資産の供与、技術役務の提供などのケースに限定される傾向が生じています。外国税額控除は国外所得に対応する法人税の限度額の範囲で外国税額を控除する制度のため、外国税額控除を選択するか、外国税額損金算入方式を選択するかにつき検討が必要になります。ESネクスト税理士法人は、外国税額控除の可否に関する現状を分析し、課題抽出とその対応策、申告時の取り扱いについてサポートします。外国税額控除を採用する場合には当該法人税の申告書の作成あるいはレビューの対応を致します。
タックスヘイブン対策税制
税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの最終報告書を踏まえ、2017年度税制改正ではタックスヘイブン対策税制について制度全体にわたる改正が行われました。
制度の概要
わが国の内国法人等が、実質的活動を伴わない外国子会社等を利用する等により、わが国の税負担を軽減・回避する行為に対処するため、外国子会社等がペーパーカンパニー等である場合又は経済活動基準(注)のいずれかを満たさない場合には、その外国子会社等の所得に相当する金額について、内国法人等の所得とみなし、それを合算して課税(会社単位での合算課税)。
(注)①事業基準(主たる事業が株式の保有等、一定の事業でないこと)
②実体基準(本店所在地国に主たる事業に必要な事務所等を有すること)
③管理支配基準(本店所在地国において事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること)
④次のいずれかの基準
(1)所在地国基準(主として本店所在地国で主たる事業を行っていること)
※下記以外の業種に適用
(2) 非関連者基準 (主として関連者以外の者と取引を行っていること)
※卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業、航空機貸付業の場合に適用
また、外国子会社等が経済活動基準を全て満たす場合であっても、実質的活動のない事業から得られる所得(いわゆる受動的所得(注))については、内国法人等の所得とみなし、それを合算して課税(受動的所得の合算課税)。
(注)配当等、利子等、有価証券の貸付対価、有価証券の譲渡損益、デリバティブ取引損益、外国為替差損益、その他の金融所得、保険所得、固定資産の貸付対価、無形資産等の使用料、無形資産等の譲渡損益 等
※ただし、事務負担に配慮し、外国子会社等の租税負担割合が一定(ペーパーカンパニー等は30%(2023年度税制改正大綱により見直しの予定)、それ以外の外国子会社等は20%)以上の場合には本税制の適用を免除。
出典:財務省ホームページ
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/175.htm
この改正により、従来は租税負担割合20%未満の外国子会社等について法人税申告対応の是非を検討することで済んでいたものが、ペーパーカンパニー及びキャッシュボックスの特定外国関係会社の有無の確認が加わり、対象外国関係会社及び部分対象外国関係会社と外国子会社等を三分類に分けて検討することが求められています。これらの検討を行う際には、海外子会社からの情報取集が必須となりますが、すでに会計目的又はBEPSにより情報開示が求められることにより、すでに本社で収集している国別報告事項あるいはマスターファイルの情報を活用し、合算課税に関して収集する情報収集については、収集の時期及び重複により海外子会社の負担を生じさせないことに配慮して貴社と海外子会社双方の実務対応がスムースになる手続き管理の構築がポイントになります。
加えて、2024年4月1日以降開始事業年度から導入されるグローバルミニマム課税では、その納税が発生しない場合でも、情報申告書の提出が原則として特定多国籍企業の最終親会社に求められています。情報申告書の報告事項の多くは国別報告事項の情報と同様の内容が多くあることから、その内容を分類整理して適切な時期に子会社の負担が生じないような情報依頼の手続きをそのテンプレートの作成も視野において国別報告書の作成時期に合わせて行っていく必要があります。
ESネクスト税理士法人では、タックスヘイブン対策税制の申告対応に関して、貴社グループ全体の作業の流れ、手続き及び管理の構築のサポートの他、情報収集のための質問書の作成等並びに対象会社の絞り込みから申告書別表の作成まで、将来的に内製可能となることも視野において、不足する専門知識のサポートを担当税理士が丁寧に対応します。また当該作業に関連するチェックリスト(海外子会社への質問事項を含む)の作成(英語も可)等を税務業務の内製化あるいは一部外注等の随時サポートを念頭に企業の税務チームを包括的にサポート致します。
外国税額控除のための所得税申告書作成
日本法人の活動が海外において事業を行う一定の場所が認定され、あるいは工事監督PEが認定された場合においては、海外における法人の法人税申告(恒久的施設・PE申告)のほか、日本法人所属の技術者等に係る個人所得についても当該認定国において個人所得税の納税義務が発生します。この納税義務はその活動に従事する個人の海外滞在日数が183日未満の短期だとしても免除されないため、不測の追加税務コストが生じることになりプロジェクトの採算が悪化することが懸念されます。この外国税額は、技術者等が日本で受ける給与について課税されているため、所得税の確定申告において外国税額控除の適用を行うことにより、日本で納税している所得税の内当該外国所得に対応する部分の二重課税が控除されます。また、技術者等が納税する外国税額は通常は会社の業務命令に基づき行われることから、会社がその手続き及びの納税の取り扱いを明確にし、法人及び法人の従業員としての税務コンプライアンス対応を混乱な進める必要があります。ESネクスト税理士法人では、企業の人事部又は該当部署とこのような問題を抱えている企業について、解決策の提案の他、外国税額控除を受けるための個人所得税の申告書の作成を代行します。
また、投資対象を国内上場の株式あるいは証券投資信託及び不動産から、特に米国を中心とした海外の証券及び不動産にその投資対象を広げ、投資収益を獲得することが行われています。2008年に起きたUSB事件により、脱税防止のため世界各国は外国口座税務コンプライアンス法の導入し口座情報を交換するようになりました。国際的な脱税について規制と罰則の強化が進んでいるため、国外において所得のある個人は自ら適切な納税を意識する必要があります。日本に住所を有する個人は原則として、その所得の発生国を問わず全世界の所得が居住地国の日本で課税対象となるため、外国ですでに源泉徴収により税金を納めているあるいは、申告納税をしているか否かにかかわらず、これらの所得を所得税の確定申告に含める必要があります。所得税の確定申告においては、すでに外国での所得税の納税額は二重課税防止のために税額控除の対象となることからこの適用により追加納税は限定的になるケースが多くなっています。ESネクスト税理士法人はこのような国外に所得を有する税務の課題を解決するサービスを提供しています。
米国進出に伴う会計税務サポート
世界最大の市場である米国は日本からの進出及び投資対象国として、多くの企業が事業の新規進出あるいは個人がハワイに代表されるようなリゾート件賃貸可能なコンドミニアムの購入といった不動産投資が行われています。米国で事業を開始し、あるいは不動産の賃貸を行う場合には、米国における税務申告義務が生じ、そのためにその収支を明らかにする会計を行う必要が生じます。日本の法人及び個人が直接投資により、事業を行う場合には日本と米国の双方で会計税務対応が必要になり、米国子会社を通じて行う間接投資の場合には、米国子会社単独でその対応を行う必要があります。事業が発展的に拡大し現地で従業員を雇用するまで、あるいは不動産投資のように管理会社に委託し、実際は日本にいながら米国投資管理を行うことも多くあると思います。米国の不動産所有期間中の米国所得税の申告の他、古くから投資をしていることより、所有者の相続が発生した場合には米国においても連邦遺産税の他、所在の州における遺産税の申告対応が生じます。ESネクスト税理士法人は、提携のEOS Accountants LLPと連携しこれらの課題解決を日本においてサポートします。